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エリナの育て方|淡い黄色の大輪花が美しい木立バラと夏の管理

エリナは、やわらかな淡黄色の大輪花を咲かせる、イギリス生まれのハイブリッド・ティーです。

整った半剣弁高芯咲きの花形と、明るく上品な花色が魅力で、春から秋まで繰り返し花を楽しめます。

清水園芸店では、近年の暑い夏を含めた育てやすさの目安として、バラをタイプA~Dに分類しています。
 

エリナはタイプDです

暑さには比較的耐えますが、夏に葉を保ち、秋花につなげるには、水切れ、鉢土の高温、黒星病などへの注意が必要です。

30秒で分かるエリナ

系統ハイブリッド・ティー
花色淡黄色~クリームイエロー
花の大きさ約10~12cmの大輪
花形半剣弁高芯咲き
香り中香・ティー系
開花性四季咲き・春から秋まで繰り返し咲く
樹高・樹幅樹高約120~150cm・横張り気味
仕立て方木立仕立て、鉢植え、地植え
日照春秋は日なた、真夏は午後の強い西日を避ける
育てやすさタイプD・樹勢と耐暑性は比較的強いが、葉の管理に少しコツが必要

このバラの良いところ

  • 淡い黄色の大輪花が上品で、庭になじみやすい
  • 花形が整いやすく、切り花にも向く
  • 樹勢が強く、春から秋まで繰り返し咲く
  • 古い大輪系品種の中では暑さに比較的耐える
  • 鉢植え・地植えの両方で楽しめる

購入前に知っておきたいこと

  • 現代の強健品種ほど耐病性が高いわけではありません
  • 黒星病やうどんこ病で葉が傷むことがあります
  • 枝が横へ広がりやすく、ある程度の場所が必要です
  • 真夏は花色が白に近くなり、花が小さくなることがあります
  • 強香品種ではありません

こんな方におすすめです

  • 淡い黄色の上品な大輪花を育てたい方
  • 花形と切り花利用を重視する方
  • 木立性のハイブリッド・ティーを探している方
  • 夏の水やりや病気の管理を少し工夫できる方

 

エリナ

 

エリナ

エリナ@ac画像
 
 
エリナ

エリナ@ac画像

 

花と樹形の特徴

エリナは、1985年にイギリスのパトリック・ディクソンによって発表されたハイブリッド・ティーです。2006年には世界バラ会連合の「バラの殿堂」に選ばれ、長く評価されてきた名花の一つです。

花色は、クリーム色を含んだやわらかな淡黄色です。鮮やかな黄色というより、周囲の草花やほかのバラとなじみやすい、落ち着いた明るさがあります。

花径はおおむね10~12cmです。咲き始めは整った半剣弁高芯咲きとなり、開花が進むにつれて花弁がゆるやかに開き、やわらかな表情へ変化します。

春や秋の涼しい時期には黄色がやや濃く見え、気温の高い時期には、白に近い淡いクリーム色で咲くことがあります。

香りは中程度のティー系です。強香品種ではありませんが、花へ近づくと穏やかな香りを楽しめます。

花茎が比較的しっかりし、花もちも良いため、庭で眺めるだけでなく切り花にも向きます。

木立バラとして育てます

樹勢が強く、夏には太いシュートを長く伸ばすことがありますが、つるバラではありません。

樹形は横張り気味で、樹高はおおむね120~150cmです。枝を長く残しすぎると花の位置が高くなるため、冬剪定と花後剪定で高さを整えます。

仕立て方清水園芸店の評価
地植えの木立仕立ておすすめ
鉢植えの木立仕立ておすすめ
切り花用として育てるおすすめ

枝が横へ広がりやすいため、地植えでは隣の株と枝葉が重なりすぎないようにします。
鉢植えでは、主枝を整理し、株の中心まで風が通る樹形にすると管理しやすくなります。

詳しい育て方を見る

植え場所

春と秋は、日当たりと風通しの良い場所で育てます。1日に5~6時間程度の日照があると、太い枝が育ち、大輪花を咲かせやすくなります。

近年の猛暑を考えると、次のような場所がおすすめです。

  • 午前中によく日が当たる
  • 真夏の午後は建物や樹木の影に入る
  • 強い西日が長時間当たらない
  • 壁やコンクリートからの照り返しが少ない
  • 枝葉の間を風が通る

耐暑性は比較的強い品種ですが、鉢土の高温と水切れが重なると、葉焼けや落葉を起こすことがあります。

地植えと鉢植え

地植え

地植えでは根を広く張るため、鉢植えより水切れしにくく、太い枝を育てやすくなります。

横張り気味に育つことを考え、株間はおおむね1m程度を確保します。水が長くたまる場所や、雨後にいつまでもぬかるむ場所は避けてください。

鉢植え

鉢植えにも向きます。若い株は8号鉢でも育てられますが、株が充実した後は10号鉢以上をおすすめします。

大きく育てたい場合や、真夏の水切れを少し抑えたい場合は、12号鉢程度まで鉢増しすると管理しやすくなります。

真夏は鉢の側面へ直射日光が当たり続けないようにし、二重鉢、明るい色の鉢カバー、すのこなどを利用します。

水やり

地植え

植え付け後、根付くまでは乾かしすぎないようにします。十分に根付いた後は基本的に雨を利用できます。

ただし、真夏に晴天が続き、土の中まで乾いている場合は、朝の涼しい時間に株元へたっぷり水を与えます。

表面だけを軽く濡らすのではなく、根のある深さまで水が届くように、ゆっくり灌水してください。

鉢植え

春と秋は、鉢土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れるまで与えます。

真夏は朝の水やりを基本とし、夕方に鉢土が乾いている場合は、気温と鉢の温度が下がってから追加します。

エリナは葉がよく茂り、夏にも枝を伸ばすため、鉢植えでは水切れに注意が必要です。

受け皿へ水を長時間ためたままにすると、根が弱ることがあります。通常は水を残さないようにしてください。

肥料

エリナは樹勢が強いため、一般的な木立バラと同じ量の肥料を基本にします。

肥料を多く与えすぎると、枝葉ばかりが伸び、花が遅れたり、株が大きくなりすぎたりすることがあります。つるバラのように施肥量を増やす必要はありません。

地植え

  • 1~2月 寒肥 300g

  • 6月頃 一番花後のお礼肥 150g

  • 9月頃 秋花のための追肥 150g

高温期は根への負担になることがあるため、清水園芸店では7月・8月の固形肥料を休止しています。その代わりにキトサン溶液「ばら専科」を土に灌水し、夏の生育環境づくりに利用します。

当店販売の有機バラ肥料「ローズサポーター」での施肥量です

エリナ1株あたりの年間肥料代は約230円です。
※ローズサポーター20kgをご購入の場合の目安です。

鉢植え

春から秋まで、7月・8月を除いて月1回程度、鉢の大きさに合わせて固形肥料を与えます。

  • 7号鉢 20g程度

  • 8号鉢 30~40g程度

  • 10号鉢 50~60g程度

  • 12号鉢 70~80g程度

7月・8月は、暑さで根が疲れやすいため、固形肥料を休止します。

当店販売の有機バラ肥料「ローズサポーター」での施肥量です

枝が勢いよく伸び、葉色も十分に濃い場合は、肥料を追加せず、株の状態を見てください。

剪定

冬剪定

1~2月頃に、枯れ枝、細すぎる枝、内向きの枝、交差する枝を取り除きます。

株全体の高さをおおむね2分の1程度に切り戻し、太く充実した枝を残します。

横張り気味に枝を伸ばすため、株の中心へ向かう芽よりも、外側へ向いた芽の上で切ると、風通しの良い樹形に整えやすくなります。

鉢植えや狭い場所では、やや深めに剪定し、春の樹高を抑えると管理しやすくなります。

花後剪定

咲き終わった花は、花首だけで切らず、充実した5枚葉の上まで切り戻します。

花後に適度に切り戻すことで、次に伸びる枝が太くなり、繰り返し花を楽しみやすくなります。

勢いの強いシュート

夏に太いシュートが長く伸びた場合は、目的の高さで先端を軽く切ります。

早めに先端を止めることで、枝が必要以上に長くなるのを防ぎ、秋花を咲かせる側枝を作りやすくなります。

ただし、出始めたばかりの短いシュートを深く切りすぎないようにしてください。

夏剪定

秋にも花を楽しみたい場合は、8月下旬から9月上旬頃に夏剪定を行います。

枝の長さをおよそ3分の2程度残し、細い枝や弱った枝を整理します。

猛暑が続いている場合は、暦だけで判断せず、気温が少し下がるまで時期を遅らせます。

夏に葉を多く落として弱っている株は、深く切り戻さず、枯れ枝や細い枝を整理する程度にします。残っている葉を大切にし、株の回復を優先してください。

耐病性と葉の管理

エリナの耐病性は、現代の強健品種と比べると標準的です。

樹勢が強いため、多少葉が傷んでも新しい枝葉を伸ばす力はありますが、黒星病やうどんこ病が発生しない品種ではありません。

梅雨や秋の長雨では、落ち葉をこまめに片付け、枝葉が混み合わないようにして、株の中心まで風が通るようにします。

鉢を壁際へ密着させたり、株同士を狭い間隔で並べたりすると、湿気がこもりやすくなります。

病気の出た葉や落ち葉は株元へ残さず、こまめに取り除きます。必要に応じて、登録内容を確認した農薬を適正に使用してください。

近年の猛暑では夏越しが重要です

夏・猛暑が毎日続く日本

夏・猛暑が毎日続く日本@ac画像

エリナは現在の日本でも栽培できます

エリナは、樹勢と耐暑性が比較的強く、現在の日本でも栽培できます。

ただし、夏の高温化が進むと、一日中強い直射日光が当たる場所では、葉焼け、水切れ、鉢の高温、花弁の傷みなどが起こりやすくなります。

春から初夏までは日当たりの良い場所で育て、真夏だけ午後の強い日差しを弱めると、葉を残しやすくなります。

真夏の管理で大切なこと

  • 午後の強い西日を避ける
  • 鉢土の水切れを防ぐ
  • 鉢や株元の温度上昇を抑える
  • 6月中旬頃から9月上旬頃までは、無理に花を咲かせない
  • 夏の葉をできるだけ残す
  • 弱った株を深く剪定しない
  • 7月・8月は固形肥料を休止する
  • 落ち葉を残さず、病気の広がりを抑える

遮光

鉢植えでは、真夏の午後だけ、遮光率20~30%程度の遮光ネットを利用できます。

遮光ネットを葉へ密着させると熱がこもるため、枝葉から少し離して設置してください。一日中暗くするのではなく、強い午後の日射を弱めることが目的です。

根を高温から守る

株元へ腐葉土、バーク堆肥、敷きわらなどを3~5cm程度敷くと、土の乾燥と急激な温度上昇を抑えやすくなります。

幹の根元へ直接厚く寄せず、少し離して敷いてください。

鉢植えでは、次のような対策があります。

  • 白色や明るい色の鉢カバーを利用する
  • 一回り大きな鉢へ入れて二重鉢にする
  • 鉢をコンクリートの照り返しから離す
  • 鉢台などで鉢底を少し持ち上げる
  • 鉢の西側へ板や遮光シートを置く

真夏は無理に咲かせない

秋にも淡黄色の整った花を楽しみたい場合は、6月中旬頃から9月上旬頃までに上がったつぼみを、株の状態を見ながら早めに摘み取ります。

特に鉢植え、若い株、葉が少ない株では、夏に花を咲かせるより、葉と根を守ることを優先してください。

夏に葉が減った場合

高温や病気で葉が減った株は、すぐに強い肥料を与えたり、深く切り戻したりせず、午後の強い日差しを避け、水切れを防ぎながら回復を待ちます。

枝が緑色で芽が生きていれば、気温が下がるにつれて新しい葉が出ることがあります。枯れ枝だけを整理し、残っている葉を大切にしてください。

栽培者の評価を見る

良い評価

  • 樹勢が強く、枝がよく伸びるという声がある
  • 淡い黄色の花が上品で、ほかの植物と合わせやすいと評価する声がある
  • 大輪で花形が整いやすいという感想がある
  • 花もちが比較的良く、切り花としても楽しめるという声がある
  • 暑い時期にも比較的よく枝を伸ばすという評価がある
  • 春だけでなく、秋にも繰り返し咲くという感想がある
  • 古い大輪系品種の中では丈夫に育つと感じる人がいる
  • 淡いティー系の香りを楽しめるという声がある

困った評価

  • 黒星病やうどんこ病が発生することがある
  • 無農薬で一年中きれいな葉を保つのは難しい場合がある
  • 横張り気味に育ち、予想より場所を取ることがある
  • 高温期には花色が薄くなり、白に近く見えることがある
  • 香りは強香ではなく、控えめに感じる人もいる
  • 鉢植えでは真夏に水切れしやすいことがある
  • 強い西日では花弁や葉が傷むことがある

まとめ

エリナは、淡い黄色の大輪花と、整った半剣弁高芯咲きを楽しめる木立バラです。

樹勢と耐暑性は比較的強く、春から秋まで繰り返し花を咲かせる力があります。

一方で、耐病性は標準的なため、葉を美しく保つには、風通しの確保、落ち葉の清掃、必要に応じた病気の管理が必要です。

強健さだけを最優先する初心者向け品種ではありませんが、淡い黄色の上品な大輪花や切り花を楽しみたい方には、長く育てる価値のある名花です。

タイプA~Dの評価について

タイプA~Dは、清水園芸店が夏の育てやすさと、年間の管理にかかる手間をもとに分類した目安です。

タイプA
夏に葉が傷みにくく、管理の負担が少ない、とても育てやすいバラ
初心者の方、できるだけ手間をかけたくない方
タイプB
夏に葉が比較的傷みにくく、育てやすいバラ
初心者の方、育てやすさを重視したい方
タイプC
夏に葉が傷むことはあるものの、管理次第で回復しやすく、比較的育てやすいバラ
少しチャレンジしてみたい初心者の方
タイプD
花の美しさや香りが魅力ですが、夏の管理に少しコツが必要なバラ
ある程度栽培経験のある方、中級者の方向け

どのタイプでも、日当たり、風通し、水管理などの栽培環境によって、生育状態や病気の発生しやすさは変わります。

また、この分類は無農薬栽培のしやすさを示すものではありません。
必要に応じて農薬を適正に使用することを前提として、夏の育てやすさや管理の負担を目安として分類しています。

夏は花よりも、葉と根を守る管理を

エリナは樹勢と耐暑性が比較的強いバラですが、真夏の強い西日、水切れ、鉢の高温、高温多湿が続くと、葉が傷むことがあります。

秋にも淡い黄色の整った花を楽しみたい場合は、真夏は無理に咲かせず、夏の葉をできるだけ残すことが大切です。

清水園芸店では、夏のバラ管理にキトサン溶液「ばら専科」をご利用いただいています。

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