クイーンエリザベスの育て方|丈夫で背が高く育つピンクの名花と夏の管理
クイーンエリザベスは、明るく上品なピンク色の大輪花を咲かせる、世界的に有名な木立バラです。
ハイブリッド・ティーのような大きな花と、フロリバンダのように複数の花をつける性質を併せ持ち、グランディフローラを代表する品種として知られています。
清水園芸店では、近年の暑い夏を含めた育てやすさの目安として、バラをタイプA~Dに分類しています。
クイーンエリザベスはタイプDです
株そのものは非常に丈夫で回復力がありますが、夏の高温や黒星病によって葉を傷めることがあります。秋花まで美しい葉を保つには、遮光、水切れ防止、風通し、落ち葉の清掃などの工夫が必要です。
30秒で分かるクイーンエリザベス
| 系統 | グランディフローラ |
|---|---|
| 花色 | 明るく上品なピンク色 |
| 花の大きさ | 約9~12cm |
| 花形 | 丸弁の抱え咲きから平咲き |
| 香り | 微香~弱い中香。ほのかなティー系 |
| 開花性 | 四季咲き・春から秋まで繰り返し咲く |
| 樹高 | 約160~200cm |
| 樹形 | 直立性が強く、太い枝を上へ伸ばす |
| 仕立て方 | 地植え、10号鉢以上の鉢植え |
| 育てやすさ | タイプD・株は丈夫だが、夏の葉を保つには工夫が必要 |
このバラの良いところ
- 上品なピンク色の大輪花を楽しめる
- 樹勢が非常に強く、太い枝がよく伸びる
- 株が充実すると、一枝に複数の花を咲かせる
- 花枝が長く、切り花に利用しやすい
- 葉を失っても新しい枝葉を伸ばしやすい
- 直立性で、横へ大きく広がりにくい
購入前に知っておきたいこと
- 剪定が浅いと、樹高が2mを超えることがあります
- 花を見る位置が高くなりやすい品種です
- 黒星病などで葉を落とすことがあります
- 香りは強くありません
- 鉢植えでは、大株になるほど水切れしやすくなります
- 太い枝には鋭いトゲがあります
こんな方におすすめです
- 丈夫で長く育てられる名花を探している方
- 上品なピンクの大輪花を楽しみたい方
- 庭の後方へ植える背の高い木立バラを探している方
- 切り花としても楽しみたい方
- 夏の水やりや病気対策を行える方
クイーンエリザベス

@ac画像

クイーンエリザベス@ac画像
花と樹形の特徴
クイーンエリザベスは、1954年に発表された世界的な名花です。1979年には世界バラ会連合の「バラの殿堂」に選ばれ、現在も世界各地で栽培されています。
花は明るく上品なピンク色で、花径は約9~12cmです。咲き始めは丸みのある抱え咲きで、開花が進むにつれて花弁がゆるやかに広がります。
株が若いうちは一枝に一輪だけ咲くこともありますが、株が充実すると、一本の花枝に複数のつぼみをつけるようになります。大輪花と房咲き性の両方を備えていることが、グランディフローラらしい特徴です。
香りは微香から弱い中香程度で、ほのかなティー系の香りを感じることがあります。香りを主役にする品種というより、花色、花の大きさ、丈夫さを楽しむバラです。
花枝が長く、切り花として利用しやすい点も魅力です。ただし、暑い時期は花が早く開き切り、花もちが短く感じられることがあります。
背が高く育つ木立バラです
クイーンエリザベスは、太い枝を上へまっすぐ伸ばす直立性の強い木立バラです。横へ大きく広がりにくい一方、剪定が浅いと人の背丈を超えるほど高く育ります。
樹高は約160~200cmが目安です。庭では花壇の後方へ植えると、背の高さを生かしやすくなります。
| 仕立て方 | 清水園芸店の評価 |
|---|---|
| 地植えの木立仕立て | おすすめ |
| 花壇の後方 | おすすめ |
| 10号鉢 | 高さを抑えたい場合に適する |
| 12号鉢 | 大株をゆったり育てる場合に適する |
株元から太い枝が増えていくため、内側へ向かう枝、交差する枝、極端に細い枝を整理し、株の中心まで風が通るように育てます。
詳しい育て方を見る
植え場所
春と秋は、日当たりと風通しの良い場所で育てます。安定して花を咲かせるには、1日に5~6時間程度の日照が得られる場所が理想です。
ただし、近年の猛暑では、朝から夕方まで強い直射日光が当たり続ける場所よりも、次のような環境が適しています。
- 午前中によく日が当たる
- 真夏の午後は少し日陰になる
- 強い西日を避けられる
- 風が通り、熱がこもりにくい
- 壁やコンクリートからの照り返しが少ない
クイーンエリザベスは暑さで簡単に枯れる品種ではありませんが、葉は高温や強い日差しで傷むことがあります。
地植えでは、雨の多い時期に葉が乾きやすいよう、建物や他の植物へ密着させず、周囲に余裕を持たせてください。
地植えと鉢植え
地植え
地植えでは根を広く張るため、強い樹勢を十分に生かせます。水切れも起こりにくく、太く充実した枝を育てやすくなります。
直立性が強く横幅は比較的抑えやすい品種ですが、株元には太い枝が増えていきます。株間は80cm~1m程度を確保し、隣の植物と枝葉が重ならないようにします。
鉢植え
鉢植えでは、最終的に10号鉢以上をおすすめします。樹勢が非常に強く、根もよく伸びるため、小さな鉢では根詰まりや水切れを起こしやすくなります。
大きく育てる場合は12号鉢程度まで鉢増しすると、水切れを防ぎやすくなります。
ただし、大鉢に植えるほど移動が難しくなります。真夏に午後の日陰へ移動したい場合は、剪定で高さを調整しながら10号鉢程度に収める方法もあります。
鉢底から根が多く出ている、土へ水が染み込みにくい、枝が細くなったなどの変化が見られた場合は、冬に植え替えます。
水やり
地植え
植え付け後、根が十分に張るまでは、土を乾かしすぎないようにします。
活着後は通常の降雨を利用できますが、真夏に晴天が続き、土の内部まで乾いている場合は、朝に株元へたっぷり水を与えます。
土の表面だけを短時間濡らすのではなく、根のある深さまで水が届くように与えてください。
鉢植え
春と秋は、鉢土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れる程度を目安に与えます。
真夏は朝の水やりを基本とします。夕方に鉢土が乾いている場合は、鉢と土の温度が下がってから追加で水を与えてください。
クイーンエリザベスは葉と枝を多く伸ばすため、大株になるほど水を多く必要とします。風の強い日や最高気温が高い日は、見た目以上に早く鉢土が乾くことがあります。
肥料
クイーンエリザベスは樹勢が非常に強いため、一般的な木立バラと同じ量を基本にします。
肥料を多く与えすぎると、枝ばかりが長く伸び、株が高くなりすぎることがあります。葉色が十分に濃く、太い枝が勢いよく伸びている場合は、追加の施肥を控えてください。
地植え
- 1~2月 寒肥 300g
- 6月頃 一番花後のお礼肥 150g
- 9月頃 秋花のための追肥 150g
高温期は根への負担になることがあるため、清水園芸店では7月・8月の固形肥料を休止しています。
その代わりにキトサン溶液「ばら専科」を土へ灌水し、夏の生育環境づくりに利用します。
年間使用量は約600gです。ローズサポーター20kgをご購入の場合、1株当たりの年間肥料代は約210円が目安です。
鉢植え
春から秋まで、7月・8月を除いて月1回程度、鉢の大きさに合わせて固形肥料を与えます。
- 7号鉢 20g程度
- 8号鉢 30~40g程度
- 10号鉢 50~60g程度
- 12号鉢 70~80g程度
7月・8月は、暑さで根が疲れやすいため、固形肥料を休止します。
枝が長く伸び、葉色も十分に濃い場合は、肥料不足ではありません。株の高さや枝の充実度を見ながら量を調整してください。
剪定
冬剪定
クイーンエリザベスは、剪定が浅いと非常に背が高くなる品種です。
1~2月頃に、株全体の高さをおおむね半分程度まで切り戻します。枯れ枝、極端に細い枝、内側へ伸びる枝、交差する枝を取り除き、太く充実した枝を残します。
鉢植えや狭い庭では、地面または鉢土から40~60cm程度を目安に、やや深めに剪定してもよいでしょう。
ただし、弱った株や葉を多く失った株は、一度に強く切りすぎず、充実した枝を多めに残します。
花後剪定
咲き終わった花は、花首だけで切らず、充実した5枚葉の上まで切り戻します。
一本の花枝が長く伸びるため、花後に浅く切り続けると、開花のたびに株が高くなります。
次に伸びる枝の長さを考え、一般的な木立バラより少し深めに切り戻すと、高さを整えやすくなります。
勢いの強いシュート
株元や枝の途中から、太く勢いのあるシュートが伸びることがあります。
必要な高さまで伸びたところで先端を軽く切り、枝の充実を促します。
長く伸びたシュートを放置すると、その先端で花を咲かせるため、花を見る位置が高くなりすぎることがあります。
出始めたばかりの短いシュートを、根元近くまで切り戻さないようにしてください。
夏剪定
秋花をそろえて咲かせたい場合は、8月下旬から9月上旬頃に夏剪定を行います。
枝の長さをおよそ3分の2程度残し、細い枝や弱った枝を整理します。
剪定後も長く伸びるため、他の木立バラより少し低めに切ると、秋花を見やすい高さに整えやすくなります。
ただし、残暑が厳しい時期や葉が少ない株は、強く切らないでください。枝先を軽く整える程度にとどめ、残っている葉を大切にします。
耐病性と葉の管理
クイーンエリザベスは、株そのものは非常に丈夫ですが、葉の耐病性が特に高い品種とはいえません。
古くから「強健なバラ」と紹介されてきましたが、その強さは、病気にかからないという意味よりも、樹勢が強く、葉を失っても新しい枝葉を伸ばしやすい点にあります。
栽培環境によっては黒星病が発生し、夏までに葉を多く落とすことがあります。うどんこ病についても、気温差が大きい春や秋に発生することがあります。
葉を美しく保つには、落ち葉を早めに片付け、枝を適度に整理し、株の内側まで風が通るようにしてください。
泥はねを防ぐため、株元へ腐葉土、バーク堆肥、軽石などを薄く敷く方法もあります。
必要に応じて、登録内容を確認した農薬を適正に使用してください。
近年の猛暑では夏越しが重要です

猛暑が続く日本の夏@ac画像
真夏は花よりも葉を守る管理を
クイーンエリザベスは暑さで簡単に枯れる品種ではありませんが、葉は高温、強い日差し、水切れによって傷むことがあります。
さらに黒星病が重なると、夏の終わりまでに葉を多く失うことがあります。
夏に葉を失うと、秋に伸びる枝が細くなり、花数が減ったり、開花が遅れたりすることがあります。
秋にも上品なピンクの花を楽しみたい場合は、暑い時期は無理に花を咲かせ続けず、葉と根を守ることを優先してください。
6月中旬頃から9月上旬頃までは、小さなつぼみを早めに摘み、株を休ませる管理もおすすめです。
真夏の管理で大切なこと
- 午後の強い西日を避ける
- 鉢の温度上昇を防ぐ
- 鉢土の水切れを防ぐ
- 株の周囲へ風を通す
- 病気で落ちた葉を残さない
- 健康な葉をむやみに取り除かない
- 7月・8月は固形肥料を休止する
- 秋花を重視する場合は真夏のつぼみを摘む
遮光
鉢植えでは、真夏の午後だけ、遮光率20~30%程度の遮光ネットを利用できます。
遮光ネットを葉へ直接触れさせると熱がこもることがあるため、株から少し離して設置してください。
鉢の温度上昇を防ぐ
鉢の側面へ直射日光が当たり続けると、鉢土の温度が高くなります。
二重鉢、白色の鉢カバー、すのこ、鉢台などを利用し、鉢を熱いコンクリート面へ直接置かないようにします。
株元へ腐葉土や軽石などを2~3cm敷くと、土の急激な乾燥をやわらげることができます。
水切れを防ぐ
クイーンエリザベスは大株になりやすく、多くの葉から水分を失います。
真夏の鉢植えでは、朝に十分な水を与えても、夕方までに乾くことがあります。
夕方に葉が垂れ、鉢土も乾いている場合は、土の温度が下がってから追加で水を与えます。
風通しを確保する
枝葉が混み合うと、株の内側へ熱と湿気がこもります。
枯れ枝や極端に細い枝は整理しますが、真夏に健康な葉を大量に取り除くことは避けてください。
鉢植えを複数並べる場合は、葉が重ならない程度に間隔を空けます。
落ち葉を残さない
黒星病などで落ちた葉を株元へ残すと、新しく展開する葉にも病気が広がりやすくなります。
傷んで落ちた葉は、できるだけ早く集めて処分してください。
水やりの際は、土が葉の裏へはね上がらないよう、株元へ静かに与えます。
夏は肥料を控える
高温期に固形肥料を多く与えると、弱った根に負担をかけることがあります。
清水園芸店では、7月・8月の固形肥料を休止し、9月に気温が下がり始めてから施肥を再開しています。
夏はつぼみを摘む
秋の花を重視する場合は、真夏のつぼみを早めに摘み取ります。
花を咲かせるために使う力を、葉と根の維持へ回すことができます。
クイーンエリザベスは樹勢が強いため、摘蕾後も新しい枝を伸ばしやすく、秋の開花へつなげやすい品種です。
栽培者の評価を見る
良い評価
- 株が丈夫で、多少葉を落としても枯れにくいという声がある
- 樹勢が非常に強く、太い枝がよく伸びるという感想がある
- 古い品種でありながら、長年安定して育てられると評価する声がある
- 上品なピンク色の大輪花を評価する声が多い
- 株が充実すると、一枝に複数の花を咲かせることがある
- 春だけでなく、秋にも花を楽しめるという声がある
- 花枝が長く、切り花として利用しやすいという感想がある
- 直立性で横へ広がりにくく、花壇の後方へ植えやすいと評価されている
- 細かな管理に失敗しても回復しやすいという声がある
困った評価
- 枝が予想以上に長く伸び、花を見る位置が高くなることがある
- 剪定を浅くすると、樹高が2mを超えることがある
- 黒星病で葉を多く失うことがある
- 株は枯れにくくても、葉を美しく保つのは簡単ではないという声がある
- 春や秋にうどんこ病が発生することがある
- 香りが弱く、香りを重視する人には物足りないことがある
- 花もちについては、季節によって短く感じる人もいる
- 鉢植えでは大株になるほど水切れしやすい
- 真夏の強い日差しで葉が縮れたり、葉焼けしたりすることがある
- 太い枝には鋭いトゲがあり、剪定時に扱いにくいことがある
タイプA~Dの評価について
タイプA~Dは、清水園芸店が夏の育てやすさと、年間の管理にかかる手間をもとに分類した目安です。
| タイプA | 夏に葉が傷みにくく、管理の負担が少ない、とても育てやすいバラ 初心者の方、できるだけ手間をかけたくない方 |
| タイプB | 夏に葉が比較的傷みにくく、育てやすいバラ 初心者の方、育てやすさを重視したい方 |
| タイプC | 夏に葉が傷むことはあるものの、管理次第で回復しやすく、比較的育てやすいバラ 少しチャレンジしてみたい初心者の方 |
| タイプD | 花の美しさや香りが魅力ですが、夏の管理に少しコツが必要なバラ ある程度栽培経験のある方、中級者の方向け |
どのタイプでも、日当たり、風通し、水管理などの栽培環境によって、生育状態や病気の発生しやすさは変わります。
また、この分類は無農薬栽培のしやすさを示すものではありません。
必要に応じて農薬を適正に使用することを前提として、夏の育てやすさや管理の負担を目安として分類しています。
クイーンエリザベスをタイプDとした理由
クイーンエリザベスは、樹勢が非常に強く、葉を失っても新しい枝葉を伸ばしやすい、生命力のあるバラです。
しかし、株が丈夫であることと、葉が病気に強いことは同じではありません。夏の高温、強い日差し、黒星病などによって、葉を多く落とすことがあります。
枯れにくさだけを見ると育てやすい品種ですが、夏にも葉の美しさを保ち、秋に整った花を咲かせるには、遮光、水切れ防止、風通し、落ち葉の清掃などの工夫が必要なため、清水園芸店ではタイプDとしています。
まとめ
クイーンエリザベスは、明るく上品なピンク色の大輪花を咲かせる、グランディフローラを代表する名花です。
樹勢が非常に強く、太い枝を上へ伸ばし、株が充実すると一枝に複数の花をつけます。花枝が長いため、切り花としても楽しめます。
一方で、剪定が浅いと非常に高く育ち、花を見る位置が高くなります。また、株そのものは丈夫でも、黒星病や高温によって葉を傷めることがあります。
冬剪定と花後剪定で高さを調整し、夏は西日、水切れ、鉢の高温、落ち葉に注意すると、秋にも上品なピンク色の花を楽しみやすくなります。
丈夫で長く育てられるピンクの名花を探している方におすすめです。
夏は花よりも、葉と根を守る管理を
クイーンエリザベスは樹勢の強いバラですが、真夏の強い西日、水切れ、鉢の高温、黒星病が重なると、葉を多く失うことがあります。
秋にも上品なピンク色の花を楽しみたい場合は、真夏は無理に咲かせず、夏の葉をできるだけ残すことが大切です。
清水園芸店では、夏のバラ管理にキトサン溶液「ばら専科」をご利用いただいています。

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