アンジェラの育て方|特徴・剪定・夏越し
アンジェラは、明るいピンクの小さなカップ咲きの花を、房いっぱいに咲かせる半つるバラです。
丸みのある愛らしい花が枝を彩り、特に春は華やかな景色になります。香りは控えめですが、繰り返し咲く性質があり、冬の剪定によって木立としても、枝を残してつる仕立てとしても楽しめます。
枝を伸ばすと約3mになるため、植える前に仕立て方と管理できる大きさを決めておきましょう。木立仕立て、または低いフェンスなどを使うコンパクトなつる仕立てをおすすめします。

アンジェラ@ac画像

アンジェラ@ac画像
タイプDのバラ |
タイプDの特徴
株には十分な生育力がありますが、黒点病や葉焼けで葉を失いやすいため、秋の花を楽しむには、夏に葉を残すための管理が大切です。
特に真夏の西日、水切れ、鉢の高温に注意しましょう。
初心者の方は、まずタイプA・Bから始めるのがおすすめです。タイプC・Dは、それぞれの管理のポイントを理解して選びましょう。
※タイプA・B・C・Dは、清水園芸店独自の育てやすさ分類です。耐病性・耐暑性の2点より判断しています。
30秒で分かるアンジェラ
| 系統 | 半つる性。国内ではつるバラとして流通し、作出元ではシュラブに分類されています |
|---|---|
| 花色 | 明るいピンク~濃いピンク |
| 花の大きさ | 約4~5cm |
| 花形 | 半八重のカップ咲き・房咲き |
| 一房の花数 | 多数の花を房状につけます。花数は枝の勢いや栽培条件によって変わります |
| 香り | 微香 |
| 開花性 | 四季咲き~返り咲き。春の花が特に豊かで、その後の花数は株の状態や仕立て方によって変わります |
| 樹高・枝の長さ | つる仕立てでは約3mが目安。木立仕立てでは、剪定で高さを抑えて育てます |
| 株間 | 木立仕立ては80cm~1m程度を出発点に、枝葉が重なる場合は広げます。つる仕立ては1.5~2m程度を目安に、誘引する幅も確保します |
| 樹形 | 生育旺盛で、長く伸びた枝が弓なりに広がります |
| 仕立て方 | 木立・低いフェンス・トレリスなど。手の届くコンパクトな仕立てがおすすめです |
| 花の楽しみ方 | 小輪の花がまとまって咲く、房全体の華やかさを楽しみます |
| 育てやすさ | タイプD。 黒点病と夏の葉傷みに注意し、葉を残す管理を大切にします |
大きなつるバラにすると、高い場所の摘蕾、葉の確認、必要な遮光など、夏対策の負担がとても重くなります。当店では、手の届く高さと幅に抑えた、コンパクトなつる仕立てをおすすめします。
良いところと注意点
良いところ
- 小さなカップ咲きの花が愛らしいバラです。丸みのあるピンクの花を楽しめます。
- 房咲きで、春の花が華やかです。枝に沿ってたくさんの花が咲き、低いフェンスでも見応えがあります。
- 木立にもつる仕立てにもできます。冬に枝を切り詰めて木立として育てる方法と、主枝を残して誘引する方法を選べます。
- 繰り返し咲く性質があります。春の一番花だけでなく、その後の花も楽しめます。
注意点
- 香りは控えめです。強い香りを重視する方は、ほかの品種も比較しましょう。
- 生育旺盛ですが、黒点病にかからない品種ではありません。枝葉を混ませず、落ち葉を回収します。
- 枝を自由に伸ばすと大きくなります。高さだけでなく横幅も決め、毎冬、枝を整理しましょう。
- つる仕立てでは、残したい主枝を木立と同じように一律に短く切らないようにします。
- 夏の摘蕾や軽い秋剪定をしても、秋の開花は天候や葉の残り方によって変わります。
黒点病が出てもだいじょぶ。慌てて葉を取りすぎないようにしましょう。
○葉に黒い斑点が出ても、「枯れてしまう」と心配する必要はありません。元気な株なら、一部の葉が落ちても、新しい葉を出して再び花を咲かせるでしょう。
○夏の水やりだけで精いっぱいで、ほかの手入れに手が回らないなら、株数を減らすことも考えてみましょう。無理なく世話できる数にすると、一株ずつ様子を見る余裕が生まれ、小さな変化にも気づきやすくなります。
○黒い斑点を見つけるたびに葉を取ると、株が丸裸になってしまうことがあります。 緑の部分が残っている葉は、光合成で株を支えています。自然に落ちるまで残すのも一つの方法です。ただし、落ちた病葉はこまめに拾って処分しましょう。
アンジェラの育て方
植える場所
午前中を中心に4~6時間ほど日が当たり、風通しのよい場所を目安にします。半日陰でも育ちますが、日照が不足すると花数が減ることがあります。真夏に強い西日が長時間当たる場所では、葉や鉢の高温に注意します。
木立仕立てでは、隣の株の中心から80cm~1m程度離すことを出発点に、成長後の枝葉が重ならないよう調整します。つる仕立てでは1.5~2m程度を目安にし、枝を誘引する横幅と、手入れのために立つ場所も確保しましょう。
鉢植えと地植え
鉢植え:木立または小さなつる仕立てで楽しみます。苗の根鉢に合う鉢から始め、根の成長に合わせて植え替えます。成木は10~12号程度も検討しますが、鉢の号数だけで決めず、水切れの頻度や根の詰まり方を見て判断しましょう。鉢を大きくすると土と水を含めた重さも増えるため、移動の負担を考えます。
地植え:水はけがよく、雨の後に水がたまり続けない場所に植えます。枝がよく伸びるため、建物や通路に近づけすぎないようにします。つる仕立ては丈夫なフェンスやトレリスを用意し、壁との間にも風が通る余地を残しましょう。
水やり
地植え
植え付け後、根付くまでは土の乾きに注意します。根付いた株でも、猛暑や雨の少ない日が続くと水不足になることがあります。土が乾いているときは、根のある深さまで水が浸透するよう十分に与えます。
鉢植え
普段は鉢土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れるまで十分に与えます。受け皿にたまった水は捨てましょう。
真夏は朝の涼しい時間帯に確認し、日中の水切れに備えます。アンジェラは枝葉が増えると水の消費も多くなります。暑くなる日や日差し・風が強い日は、表面に多少湿り気が残っていても、日中に水切れしやすい鉢には朝に十分な水を与えます。ただし、鉢土全体が十分にぬれている場合は追加する必要はありません。
夕方にも確認し、土が乾いていたら追加します。雨予報でも鉢に十分な雨が入るとは限らないため、実際の鉢土の状態で判断しましょう。
肥料
以下は、当店のバラ用有機肥料「ローズサポーター」を使用する場合の目安です。ほかの肥料は、それぞれの使用方法に従ってください。株の大きさ、気温、土の状態に合わせて加減します。
地植え・樹高1m以上の成木
- 1~2月:寒肥300g
- 6月頃:一番花後150g
- 9月頃:秋の追肥150g。暑さが続く場合や弱った株は、涼しくなり生育が戻ってから与えます。
年間使用量600gの場合、20kg入り7,500円で計算すると、バラ1株の年間肥料代は約230円です。送料・消費税込み。
※上記は地植え成木【樹高1m以上】の施肥例です。小型の株や幼木は減量し、生育や土の状態によって調整してください。
鉢植え
3~6月と9~11月は、月1回程度を目安に与えます。7月・8月は原則として施肥を控えます。秋も、暑さが続く場合や株が弱っている場合は、再開を急がないでください。
- 7号鉢:20g程度
- 8号鉢:30~40g程度
- 10号鉢:50~60g程度
- 12号鉢:70~80g程度
剪定と仕立て方
アンジェラは、冬に枝を切り詰めると木立として、長い主枝を残して誘引するとつる仕立てとして楽しめます。どちらに仕立てるかで、冬に残す枝の長さが変わります。
おすすめは、手の届く木立仕立て、または高さ1.5m前後を目安にした低いつる仕立てです。高さだけでなく横幅も、無理なく手入れできる範囲に収めましょう。
〇木立バラとしての剪定法
冬:枝を切り詰め、コンパクトな株に整えます
東京では1月下旬から2月中旬頃が冬剪定の目安です。枯れ枝や細く弱い枝を取り除き、内向きの枝や交差する枝を混み具合に合わせて整理します。
元気な成木では、今の高さの半分程度を残すことを一つの目安に、充実した芽の少し上で切ります。毎年同じ高さに機械的に切らず、前年の伸び方と枝の太さに合わせましょう。剪定後も春から枝が伸びるため、冬に切った高さが開花時の高さになるわけではありません。
若く枝数が少ない株や、夏に葉を多く失った株は、今の高さの約3分の2を残す程度の浅い剪定にします。著しく弱った株は、枯れ枝の整理など必要最小限にとどめます。大きく伸ばしていた株を小さく戻す場合も、元気な枝や芽を確かめながら無理なく進めましょう。
生育期:伸びすぎた枝は花後に整えます
花後は、残したい株の輪郭を意識して枝を切り戻します。ただし、一度に葉を大量に減らさないようにします。強い枝が倒れる場合は、支柱で支えましょう。夏の高温期に、大きさを抑える目的で強く剪定することは避けます。
〇つるバラとしての剪定法
冬:主枝を残し、花をつけた側枝を短く整えます
東京では12月~2月の休眠期を目安に、剪定と誘引を行います。枯れ枝や細く弱い枝を取り除き、元気な主枝を選んで残します。古く花つきが悪くなった主枝は、新しい主枝が育っていることを確かめて順に更新します。
残す主枝は、木立仕立てのように毎年すべて半分に切りません。低いフェンスやトレリスに合わせて斜め~横向きに広げ、枝が重ならないように留めます。支えの範囲からはみ出す枝先は、収まる長さに整えます。
主枝から出て、その年に花をつけた側枝は、長さの3分の1程度を残すことを一つの目安に短くします。枝の太さと芽の位置を見て調整し、細く弱い側枝や混み合う側枝は整理します。まだ骨格づくりの途中の若い株は、主枝を育てることを優先し、切りすぎないようにしましょう。
新しい枝:翌年以降の主枝候補を育てます
株元から伸びる元気な新しい枝は、将来の主枝候補として支柱に沿わせます。若い枝を急に横へ倒すと折れることがあるため、まず支えて伸ばし、冬の誘引時に曲がる範囲で少しずつ角度を整えます。
アンジェラは新しいシュートにも花房をつけます。つる仕立てで伸ばしたい枝は、花後に先端の花房を軽く切り、主枝として使う長さを残します。支えに収まらない枝や過密になる枝は選別し、すべてを残して大きくしすぎないようにしましょう。
花後は葉を多く残します
咲き終わった花房は、実や種づくりに養分を使わせないよう、早めに切り取ります。一房の中にまだ蕾がある場合は、咲き終わった花だけを先に取り、房全体が終わってから花房の下で切る方法もあります。
必ず「5枚葉の上」で切る必要はありません。元気な葉を多く残し、しっかりした芽の少し上で切ることを目安にします。弱った株は、花のすぐ下で切る程度にとどめましょう。
秋に向けた剪定は軽く
東京では9月上旬が一つの目安ですが、その年の暑さや株の状態によって調整します。木立仕立ての元気な株は、枝先5~7cm程度を目安に軽く整えます。つる仕立てでは、残したい主枝や新しいシュートを一律に切り詰めず、花がらや不要な枝先の整理を中心にします。
葉が少ない株や暑さで弱った株は、剪定を見送り、回復を優先しましょう。秋の花数は、夏に残った葉やその後の天候にも左右されます。
猛暑時代のバラの夏越し
夏に無理に花を咲かせるより、株と葉を守って秋につなぐことを大切にします。枝葉が広がるアンジェラは、無理なく見回れる大きさに保つことも夏対策の一つです。
1.猛暑の時期は花を休ませる
東京では6月中旬~9月上旬頃を目安に、暑さに合わせて蕾を早めに摘みます。特に7月・8月、若い株や弱っている株では、無理に花を咲かせません。蕾だけを摘み、元気な葉は残しましょう。
2.元気な葉を残す
7~8月は強く剪定せず、元気な葉をできるだけ残します。枝葉の内側も確認し、黒点病の落ち葉は回収します。生育旺盛な品種でも、葉を失ったまま水切れが重なると負担が大きくなります。
3.強い西日と鉢の高温に注意する
西日による葉傷みが続く場所では、午後の日差しを遮光ネットなどで和らげます。鉢植えは、可能であれば朝に日が当たり、午後は明るい半日陰になる場所で管理します。フェンスに固定して移動できない株は、植える前に午後の日差しや遮光のしやすさも確認しておきましょう。
アンジェラのお手入れに「ばら専科」
まず大切なのは、水やり・日差し・風通しなど、バラが育ちやすい栽培環境を整えることです。
キトサン溶液「ばら専科」は、こうした基本のお手入れとあわせて、バラの生育環境づくりにお使いいただける園芸用活力液です。
※「ばら専科」は農薬ではなく、病害虫を防除するための商品ではありません。

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