オリビア・ローズ・オースチンの育て方|香りと耐病性に優れた半つるバラ
オリビア・ローズ・オースチンは、やさしいソフトピンクの花と、フルーツを思わせる香りが魅力のイングリッシュローズです。
花つき、耐病性、樹勢のバランスが良く、木立バラとしても、低い半つるバラとしても楽しめます。
清水園芸店では、近年の暑い夏を含めた育てやすさの目安として、バラをタイプA~Dに分類しています。
半つるバラ全体に共通する傾向

- 日本の夏は年々暑さが厳しくなっています。
このまま高温化が進むと、壁面・大型アーチ・高いフェンスなどへ大きく仕立てた半つるバラは、 夏の水管理や枝の管理が難しくなり、維持管理の負担が大きくなる可能性があります。
- 半つるバラを大きなつるバラとして育てると、春の花が中心になり、 秋の花数は少なくなる傾向があります。
四季咲きを楽しみたい場合は、木立風やコンパクトなツルバラ仕立てがおすすめです。
オリビア・ローズ・オースチンはタイプCです
耐病性と花つきに優れた育てやすいバラですが、日本の猛暑では葉が傷むことがあるため、夏の水管理と置き場所に少し注意します。
30秒で分かるオリビア・ローズ・オースチン
| 花色 | やさしいソフトピンク |
|---|---|
| 花の大きさ | 約8~10cm |
| 花形 | カップ咲きからロゼット咲き |
| 香り | 中香程度・フルーツ系の香り |
| 開花性 | 繰り返し咲き・木立仕立てでは秋花も楽しみやすい |
| 樹高 | 木立仕立てで約120~150cm |
| 仕立て方 | 木立仕立て、支柱を使った低い半つる仕立て、低いオベリスク |
| 耐病性 | 比較的強い |
| 耐暑性 | 比較的強いものの、猛暑期の水切れと葉傷みに注意 |
| 育てやすさ | タイプC・少しチャレンジしたい初心者の方におすすめ |
このバラの良いところ
- やさしいソフトピンクの花を繰り返し咲かせる
- カップ咲きからロゼット咲きへ変化する
- フルーツを思わせる香りを楽しめる
- 黒星病やうどんこ病に比較的強い
- 樹形がまとまりやすく、鉢植えにも向く
- 木立仕立てと低い半つる仕立ての両方を楽しめる
購入前に知っておきたいこと
- 香りの感じ方には個人差があります
- 夏の高温期は花が小さくなり、花もちも短くなります
- 半つる仕立てでは、秋の花数が少なくなることがあります
- 枝を長く残しすぎると、株の下部に花が少なくなることがあります
- 真夏は西日、水切れ、鉢の高温に注意が必要です
- 大型アーチや高い壁面を覆う本格的なつるバラではありません
こんな方におすすめです
- 育てやすいイングリッシュローズを探している方
- 淡いピンク色の花が好きな方
- 花つきと耐病性の両方を重視する方
- 鉢植えで管理しやすいバラを育てたい方
- 木立仕立てで秋花も楽しみたい方
- 夏に水やりや置き場所を少し工夫できる方


オリビアローズオースチン@AC画像
花と香りの特徴
オリビア・ローズ・オースチンは、やさしいソフトピンクの花を咲かせるイングリッシュローズです。
咲き始めは丸みのあるカップ咲きで、開花が進むにつれて花弁が重なり、整ったロゼット咲きへと変化します。
花径はおおむね8~10cm程度です。数輪の房になって咲くことが多く、株全体にやわらかな印象を与えます。
春は花数が多く、気温が穏やかな時期には花形も整いやすくなります。
秋は春より花数が少なくなるものの、木立仕立てで夏を上手に越すと、色の濃い美しい花を楽しめることがあります。
香りはフルーツ系と表現されることが多く、中香程度です。
香りを高く評価する声がある一方、気温、時間帯、株の状態によっては、期待したほど強く感じられないこともあります。
耐病性と花つきのバランスに優れます
オリビア・ローズ・オースチンは、花の美しさだけでなく、耐病性と繰り返し咲きにも配慮して選ばれる品種です。
黒星病やうどんこ病に比較的耐え、一般的なイングリッシュローズの中では、育てやすい品種として評価されています。
ただし、耐病性が高いことは、どのような環境でも病気が発生しないという意味ではありません。
長雨、高温多湿、日照不足、風通しの悪い環境では、葉が傷んだり病気が発生したりすることがあります。
木立仕立てがおすすめです
オリビア・ローズ・オースチンは、枝を短く切り戻せば木立バラとして、少し長く残せば低い半つるバラとして楽しめます。
ただし、本格的なつるバラのように、3m以上の壁面や大型アーチを覆うための品種ではありません。
秋にも比較的まとまった花を楽しみたい場合は、木立仕立てがおすすめです。
半つる仕立てでは春に多く咲きますが、秋は枝先へぽつぽつと返り咲く程度になることがあります。
| 仕立て方 | 清水園芸店の評価 |
|---|---|
| 木立仕立て | 最もおすすめ |
| 支柱を使った低い半つる仕立て | おすすめ |
| 高さ1.2~1.8m程度のオベリスク | 可能 |
| 小型トレリス・低いフェンス | 可能 |
大型アーチ 壁面 高いフェンス | 日本の夏は年々暑さが厳しくなっています。このまま高温化が進むと、大型のつるバラとして維持することは、将来的に難しくなる可能性があります。 |
枝を強く水平に倒すより、直立から斜め上向きに支えると、自然な樹形を保ちやすくなります。
花房の重みで枝先が傾く場合は、支柱やトレリスへ軽く留めてください。
詳しい育て方を見る
植え場所
春と秋は、日当たりと風通しの良い場所で育てます。
できれば半日以上の日が当たる場所が理想ですが、午前中に3時間程度の日照があれば栽培できます。
ただし、日照時間が短い場所では、花数が少なくなったり、枝が細く伸びたりすることがあります。
近年の猛暑では、真夏に朝から夕方まで強い直射日光が当たり続ける場所より、午前中に日が当たり、午後は明るい日陰になる場所のほうが管理しやすくなります。
これから植える場合は、次のような場所がおすすめです。
- 朝から正午頃まで日が当たる
- 真夏の午後は建物や樹木の影に入る
- 強い西日が長時間当たらない
- 壁やコンクリートからの照り返しが少ない
- 枝葉の間を風が通る
- 冬から春には十分な日照がある
冬から春にはよく日が当たり、真夏だけ午後に日陰になる場所が理想的です。
株間と風通し
木立仕立てでは、周囲の植物との間を約80cm~1m程度あけると、枝葉の間を風が通りやすくなります。
半つる仕立てでも、枝を一か所へ重ねすぎず、枝と枝の間を適度にあけて誘引してください。
枝葉が混み合うと、長雨の後に葉が乾きにくくなり、病気の原因になります。
地植えと鉢植え
地植え
地植えでは根を広く張るため、水切れが起こりにくく、樹勢を生かしやすくなります。
木立仕立てでは、冬剪定によって樹高を約1.2~1.5m程度に管理できます。
半つる仕立てにする場合は、株の後ろへ低いトレリスや支柱を設置できる場所を選んでください。
鉢植え
鉢植えにも向く品種です。
若い株は8号鉢でも育てられますが、株が充実した後は10号鉢程度を目安にすると、水切れと根詰まりを抑えやすくなります。
半つる仕立てにする場合は、鉢と支柱が倒れないように安定させてください。
主枝を3~5本程度に整理すると、枝葉が増えすぎず、夏の水管理もしやすくなります。
水やり
地植え
植え付け後、根付くまでは土を乾かしすぎないようにします。
十分に根付いた後も、真夏に雨の少ない日が続く場合は、朝の涼しい時間に株元へたっぷり水を与えます。
表面だけを濡らすのではなく、根が張っている範囲へゆっくり水を浸透させてください。
鉢植え
春と秋は、鉢土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れるまで与えます。
真夏は朝の水やりを基本とし、夕方に鉢土が乾いている場合は、気温が下がってから追加します。
半つる仕立てでは枝葉が多くなるため、木立仕立てより水切れしやすくなります。
受け皿へ水を長時間ためたままにすると根が弱ることがあるため、通常は水を残さないようにしてください。
肥料
繰り返し花を咲かせる品種のため、春と秋は肥料切れに注意します。
ただし、真夏に固形肥料を多く与えると、暑さで疲れた根へ負担をかけることがあります。
地植え
1~2月 寒肥 300g程度
6月頃 一番花後のお礼肥 150g程度
9月頃 秋花のための追肥 150g程度
高さ1.5~2m程度の半つる仕立てでは、株の大きさや枝数を見ながら、寒肥を木立仕立ての約1.2倍程度まで増やすことがあります。
肥料を増やしすぎると、枝葉ばかりが伸び、夏の水切れや病気の原因になるため注意してください。
高温期は根への負担になることがあるため、清水園芸店では7月・8月の固形肥料を休止しています。
その代わりにキトサン溶液「ばら専科」を土に灌水し、夏の生育環境づくりに利用します。
木立仕立て1株あたりの年間肥料代は約230円です。
※ローズサポーター20kgをご購入の場合の目安です。
鉢植え
春から秋まで、7月・8月を除いて月1回程度、鉢の大きさに合わせて固形肥料を与えます。
7号鉢 20g程度
8号鉢 30~40g程度
10号鉢 50~60g程度
12号鉢 70~80g程度
7月・8月は、暑さで根が疲れやすいため、固形肥料を休止します。
夏に葉が黄変した場合も、すぐに肥料不足と判断せず、高温、水切れ、過湿、根詰まり、病気の有無を確認してください。
剪定
木立仕立ての冬剪定
枯れ枝、細すぎる枝、内向きの枝、交差する枝を取り除きます。
木立バラとして育てる場合は、樹高の2分の1程度を目安に切り戻します。
太く充実した枝を3~5本程度残し、株の中心まで風が通る樹形に整えます。
半つる仕立ての冬剪定
太く充実した長い枝を残し、枝先の細い部分を切ります。
主枝から出た側枝は、2~4芽程度を目安に切り戻します。
枝を強く水平に倒さなくても、直立から斜め上向きに支えることで、自然な半つる仕立てにできます。
花後剪定
房全体の花が終わったら、花房の下にある元気な葉を残して切ります。
深く切りすぎると次の開花まで時間がかかるため、軽めの剪定を基本にします。
秋花のための剪定
木立仕立てで秋にも花を楽しみたい場合は、8月下旬から9月上旬頃に、伸びすぎた枝先を軽く整えます。
夏に葉を落として弱っている株は、無理に剪定しないでください。
半つる仕立てでは、秋剪定で深く切り込むより、枝先へ自然に上がる蕾を楽しむ程度にします。
耐病性
オリビア・ローズ・オースチンは、黒星病やうどんこ病に比較的強い品種として知られています。
そのため、イングリッシュローズを初めて育てる方にも選ばれています。
ただし、高温多湿、長雨、日照不足、風通しの悪い環境では、葉が傷むことがあります。
内側の細枝や重なった枝を整理し、株の中心まで風が通るようにしてください。
病気の出た葉や落ち葉は株元へ残さず、必要に応じて登録内容を確認した農薬を適正に使用してください。
近年の猛暑では夏越しが重要です
![猛暑が続く日本の夏]()

オリビア・ローズ・オースチンは現在の日本でも栽培できます
オリビア・ローズ・オースチンは、耐病性と樹勢に優れ、比較的育てやすいバラです。
ただし、近年の日本では40℃近い高温になる地域もあり、従来と同じ管理では、葉焼け、水切れ、鉢の高温、夏の落葉が起こることがあります。
耐病性の高い品種であっても、猛暑による葉や根の傷みを完全に避けられるわけではありません。
大型化させないほうが夏管理は容易です
オリビア・ローズ・オースチンは半つる仕立てにもできますが、大きく仕立てるほど、真夏の遮光、枝整理、水やりが難しくなります。
これから育てる場合は、木立仕立て、または高さ1.2~1.8m程度の低い半つる仕立てがおすすめです。
- 樹高1.0~1.5m程度の木立仕立て
- 高さ1.2~1.8m程度の低い半つる仕立て
- 低いオベリスク仕立て
- 小型トレリス仕立て
- 真夏に移動や遮光ができる鉢植え
秋花を重視する場合は、木立仕立てが最も管理しやすくなります。
真夏の管理で大切なこと
- 午後の強い西日を避ける
- 鉢土の水切れを防ぐ
- 鉢や株元の温度上昇を抑える
- 混み合った枝を整理する
- 6月中旬頃から9月上旬頃までは、無理に花を咲かせない
- 夏の葉をできるだけ残す
- 弱った株を強く剪定しない
遮光
鉢植えや低い半つる仕立てでは、真夏の午後だけ、遮光率20~30%程度の遮光ネットを利用できます。
朝から夕方まで強い直射日光が当たる場所では、株の状態に応じて30~50%程度の遮光を検討します。
遮光ネットを葉へ密着させると熱がこもるため、枝葉から少し離して設置してください。
一日中暗くするのではなく、特に強い午後の日射を弱めることが目的です。
風通しを確保する
夏前に、内側へ伸びた細枝や重なった枝を軽く整理します。
ただし、葉を減らしすぎると、残った葉や枝へ強い日光が直接当たり、葉焼けや枝焼けを起こしやすくなります。
枝葉をすべて透かすのではなく、株の中心へ風が通る程度にしてください。
根を高温から守る
株元へ腐葉土、バーク堆肥、敷きわらなどを3~5cm程度敷くと、土の乾燥と急激な温度上昇を抑えやすくなります。
幹の根元へ直接厚く寄せず、少し離して敷いてください。
鉢植えでは、次のような対策があります。
- 白色や明るい色の鉢カバーを利用する
- 一回り大きな鉢へ入れて二重鉢にする
- 鉢をコンクリートの照り返しから離す
- 鉢台などで鉢底を少し持ち上げる
- 鉢の西側へ板や遮光シートを置く
- 午後は明るい日陰へ移動する
真夏は無理に咲かせない
秋にも花を楽しみたい場合は、6月中旬頃から9月上旬頃までに上がった蕾を、株の状態を見ながら早めに摘み取ります。
特に鉢植えや若い株では、夏に花を咲かせるより、葉と根を守ることを優先してください。
高温期の花は小さく、花弁が少なくなり、花もちも短くなることがあります。
夏は株を休ませ、気温が下がってから秋花を楽しむほうが、オリビア・ローズ・オースチン本来の花形を楽しみやすくなります。
栽培者の評価を見る
良い評価
- 黒星病やうどんこ病に比較的強い
- イングリッシュローズの中では育てやすい
- 春の花つきが良い
- 木立仕立てでは秋にもよく返り咲く
- 樹形がまとまりやすい
- 鉢植えでも育てやすい
- ソフトピンクの花色が上品
- カップ咲きからロゼット咲きへ変化する花が美しい
- フルーツ系の香りを楽しめる
- 花つき、耐病性、育てやすさのバランスが良い
困った評価
- 香りは期待したほど強くないと感じることがある
- 淡い花色のため、遠くから見ると印象が弱いことがある
- 高温期は花が小さくなる
- 真夏は花もちが短い
- 雨が続くと花弁が傷むことがある
- 半つる仕立てでは秋の花が少なくなることがある
- 枝が細く伸びると、花房の重みで傾くことがある
- 鉢植えでは真夏に水切れしやすい
- 環境によっては株が思ったより大きく育つ
花の個性や香りの強さについては評価が分かれることがありますが、花つき、耐病性、樹形のまとまりを含めた総合的な育てやすさを評価する声が多い品種です。
タイプA~Dの評価について
タイプA~Dは、清水園芸店が夏の育てやすさと、年間の管理にかかる手間をもとに分類した目安です。
| タイプA | 夏に葉が傷みにくく、管理の負担が少ない、とても育てやすいバラ 初心者の方、できるだけ手間をかけたくない方 |
| タイプB | 夏に葉が比較的傷みにくく、育てやすいバラ 初心者の方、育てやすさを重視したい方 |
| タイプC | 夏に葉が傷むことはあるものの、管理次第で回復しやすく、比較的育てやすいバラ 少しチャレンジしてみたい初心者の方 |
| タイプD | 花の美しさや香りが魅力ですが、夏の管理に少しコツが必要なバラ ある程度栽培経験のある方、中級者の方向け |
どのタイプでも、日当たりや風通し、水管理などの栽培環境によって、生育状態や病気の発生しやすさは変わります。
また、この分類は無農薬栽培のしやすさを示すものではありません。
必要に応じて農薬を適正に使用することを前提として、夏の育てやすさや管理の負担を目安として分類しています。
夏は花よりも、葉と根を守る管理を
花つきと樹勢に優れるバラですが、真夏の強い西日、水切れ、鉢の高温、高温多湿が続くと、葉が傷むことがあります。
秋にも白い花を楽しみたい場合は、真夏は無理に咲かせず、夏の葉をできるだけ残すことが大切です。
清水園芸店では、夏のバラ管理にキトサン溶液「ばら専科」をご利用いただいています。
日頃の栽培管理を基本としたうえで、猛暑などの環境ストレス時に使用する補助資材の一つです。
夏の暑さ対策を重視する現在の日本のバラ栽培では、栽培管理の一環として利用を検討する選択肢の一つといえるでしょう。
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