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カクテル(コクテール)の育て方|花つきの良い半つるバラと夏の管理

カクテルは、真紅の花弁と黄色い花芯の鮮やかな色彩が印象的な、世界中で長く愛されている半つるバラです。

春には枝を覆うように数多くの花を咲かせ、木立バラとしても、つるバラとしても楽しめます。

清水園芸店では、近年の暑い夏を含めた育てやすさの目安として、バラをタイプA~Dに分類しています。

 

半つるバラ全体に共通する傾向

注意点

 

 
  1. 日本の夏は年々暑さが厳しくなっています。
    このまま高温化が進むと、壁面・大型アーチ・高いフェンスなどへ大きく仕立てた半つるバラは、 夏の水管理や枝の管理が難しくなり、維持管理の負担が大きくなる可能性があります。
     
  2. 半つるバラを大きなつるバラとして育てると、春の花が中心になり、 秋の花数は少なくなる傾向があります。
    四季咲きを楽しみたい場合は、木立風やコンパクトなツルバラ仕立てがおすすめです。


 

カクテルはタイプDです

樹勢が強く花つきの良いバラですが、夏の葉をきれいに保ち、秋花につなげるには少し工夫が必要です。

30秒で分かるカクテル

花色真紅から赤色。中心部は鮮やかな黄色
花の大きさ約7cm
花形一重咲き・房咲き
香り弱香
開花性返り咲き。春の花つきが特に良い
樹高・枝の長さ木立仕立て:約80~180cm
半つる・つる仕立て:約2~4m
仕立て方木立仕立て、低い半つる仕立て、フェンス、トレリス、小型アーチ
耐暑性比較的強いものの、猛暑期の葉傷みには注意
トゲ多め
育てやすさタイプD・夏の管理に少しコツが必要

このバラの良いところ

  • 春に驚くほど多くの花を咲かせる
  • 真紅の花弁と黄色い中心部の対比が美しい
  • 樹勢が強く、大きく育ちやすい
  • 半日陰にも比較的適応しやすい
  • 木立仕立てと半つる仕立ての両方を楽しめる
  • 2015年に世界バラ会連合の「バラの殿堂」入りを果たした名花

購入前に知っておきたいこと

  • 香りは弱めです
  • トゲが比較的多い品種です
  • 放任すると枝が大きく伸びます
  • つる仕立てでは、秋の花数が少なくなることがあります
  • 高温多湿や長雨の影響で、夏に葉を落とすことがあります
  • 大型化すると、夏の遮光や水管理が難しくなります

こんな方におすすめです

  • 春にたくさん咲くバラを育てたい方
  • 赤と黄色の鮮やかな花を楽しみたい方
  • 木立と半つるの両方の仕立て方を試したい方
  • 秋花よりも春の豪華な開花を重視する方
  • 夏に枝整理や水管理を行える方

 
カクテル

カクテル@ac画像
 
 
カクテル
カクテル@ac画像
 

 

世界中で愛される殿堂入りのバラ

カクテルは、鮮やかな花色と優れた花つきによって、世界中で長く栽培されている名花です。

2015年には、世界バラ会連合の「バラの殿堂」入りを果たしました。

カクテルの最大の魅力は、春に枝を覆うように数多くの花を咲かせることです。

一輪ずつは約7cmの一重咲きですが、10~15輪ほどの房になって咲くため、株全体では非常に華やかに見えます。

花と樹形の特徴

花色は真紅から赤色で、中心部に鮮やかな黄色が入ります。

咲き始めは黄色い中心部が特によく目立ちますが、開花が進むにつれて花弁の赤色がやや落ち着き、異なる表情を見せます。

一重咲きのため一輪の花は軽やかですが、房になって次々に開花するため、春の満開時には株全体が赤く染まったように見えます。

香りは弱めです。強い香りを楽しむ品種というより、花数と鮮やかな花色を楽しむバラです。

枝は勢いよく伸び、自然に育てると2~4mほどになることがあります。

ただし、冬剪定で枝を短く切り戻せば、樹高約80~180cmの木立バラとして管理することもできます。

カクテルは半つるバラです

カクテルは、木立バラとつるバラの中間的な性質を持つ、シュラブ系の半つるバラです。

枝を短く切れば木立仕立てにでき、長く残して誘引すればフェンスやトレリスを彩る半つるバラとして楽しめます。

仕立て方によって、春と秋の花の咲き方が変わります。

仕立て方春の花秋の花清水園芸店の評価
木立仕立てよく咲く比較的よく咲く秋花を楽しみたい方におすすめ
高さ1.5~2m程度の半つる仕立て非常によく咲く枝先に少し咲く程度になりやすい管理しやすくおすすめ
低いオベリスクよく咲く枝先に少し咲く程度になりやすい可能
フェンス・トレリス非常に見事枝先に少し咲く程度になりやすい春花を重視する方におすすめ
大型アーチ・高い壁面見事*****夏管理が難しくなるため慎重に

秋にも花を楽しむなら木立仕立て

カクテルは返り咲くバラですが、つる仕立てにすると、春の開花に比べて秋の花数が少なくなる傾向があります。

春には枝いっぱいに咲いても、秋は長く伸びた枝の先へ、ぽつぽつ咲く程度になることがあります。

これはカクテルだけではなく、返り咲く半つるバラやシュラブローズによく見られる傾向です。

秋にも比較的まとまった花を楽しみたい場合は、冬に枝を短く切り戻し、木立バラとして管理する方法がおすすめです。

夏に上がった蕾を摘み、葉と根を守りながら育てると、秋花につながりやすくなります。

詳しい育て方を見る

植え場所

春と秋は、日当たりと風通しの良い場所で育てます。

花を多く咲かせるためには、半日以上の日当たりが理想です。

ただし、カクテルは半日陰にも比較的適応しやすく、午前中に3時間程度の日が当たる場所でも栽培できます。

近年の猛暑では、真夏に朝から夕方まで強い直射日光が当たり続ける場所よりも、午前中に日が当たり、午後は明るい日陰になる場所のほうが管理しやすくなります。

これから植える場合は、次のような場所がおすすめです。

  • 朝から正午頃まで日が当たる
  • 真夏の午後は建物や樹木の影に入る
  • 強い西日が長時間当たらない
  • 壁やコンクリートからの照り返しが少ない
  • 枝葉の間を風が通る
  • 冬から春は十分な日当たりがある

株間と風通し

カクテルは樹勢が強く、枝葉がよく茂ります。

株間が狭いと枝が重なり、高温多湿の時期に葉が乾きにくくなります。

木立仕立てでは、周囲の植物との間を約1mあけることを目安にしてください。

半つる仕立てでも、枝を一か所へ密集させず、誘引する枝と枝の間を適度にあけます。

地植えと鉢植え

地植え

地植えでは根を広く張るため、樹勢を生かしやすく、水切れも起こりにくくなります。

ただし、放任すると枝が大きく伸びるため、植え付け前に木立仕立てにするか、半つる仕立てにするかを決めておくと管理しやすくなります。

半つる仕立てにする場合は、株の後ろに高さ1.5~2m程度のフェンスやトレリスを設置します。

鉢植え

鉢植えにもできますが、樹勢が強いため、小さな鉢では水切れや根詰まりを起こしやすくなります。

若い株は8号鉢でも育てられますが、株が充実した後は10号鉢以上を目安にします。

鉢植えでは主枝を3~5本程度に整理し、枝数を増やしすぎないことが、夏の水管理を楽にするポイントです。

水やり

地植え

植え付け後、根付くまでは土を乾かしすぎないようにします。

十分に根付いた株でも、真夏に雨の少ない日が続く場合は、朝の涼しい時間に株元へたっぷり水を与えます。

葉の表面だけを濡らすのではなく、根が張っている範囲へゆっくり浸透させます。

鉢植え

春と秋は、鉢土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れるまで与えます。

真夏は朝の水やりを基本とし、夕方に土が乾いている場合は、気温が下がってから追加します。

枝葉が多い半つる仕立ては、木立仕立てよりも水を多く必要とします。

受け皿へ水を長時間ためたままにすると根が弱ることがあるため、通常は水を残さないようにしてください。

肥料

カクテルは樹勢が強く、花数も多いため、肥料切れには注意します。

ただし、真夏に固形肥料を多く与えると、暑さで弱った根へ負担をかけることがあります。

地植え

  • 1~2月 寒肥 300g程度

  • 6月頃 一番花後のお礼肥 150g程度

  • 9月頃 秋花のための追肥 150g程度

高さ2mを超える大きな半つる仕立てでは、株の大きさや枝数を見ながら、寒肥を木立仕立ての約1.2~1.5倍まで増やすことがあります。

肥料を増やしすぎると枝葉ばかりが茂り、夏の水切れや病気の原因になるため、株の状態を見ながら調整してください。

高温期は根への負担になることがあるため、清水園芸店では7月・8月の固形肥料を休止しています。

その代わりにキトサン溶液「ばら専科」を土に灌水し、夏の生育環境づくりに利用します。

当店販売の有機バラ肥料「ローズサポーター」での施肥量です

鉢植え

春から秋まで、7月・8月を除いて月1回程度、鉢の大きさに合わせて固形肥料を与えます。

  • 7号鉢 20g程度

  • 8号鉢 30~40g程度

  • 10号鉢 50~60g程度

  • 12号鉢 70~80g程度

7月・8月は、暑さで根が疲れやすいため、固形肥料を休止します。

当店販売の有機バラ肥料「ローズサポーター」での施肥量です

夏に葉が黄変した場合も、すぐに肥料不足と判断せず、高温、水切れ、過湿、根詰まり、病気の有無を確認してください。

剪定

木立仕立ての冬剪定

枯れ枝、細すぎる枝、内向きの枝、交差する枝を取り除きます。

木立バラとして育てる場合は、樹高80~150cm程度を目安に、枝を切り戻します。

太く充実した枝を3~5本程度残し、株の中心まで風が通るようにします。

半つる仕立ての冬剪定

太く充実した長い枝を残し、フェンスやトレリスへ誘引します。

主枝から出た側枝は、2~4芽程度を目安に切り戻します。

枝を無理に真横へ曲げる必要はありません。直立から斜め上向きに誘引しても、十分に花を楽しめます。

古くなって花つきが落ちた枝は、株元近くから出た新しい枝と少しずつ入れ替えます。

花後剪定

房全体の花が終わったら、花房の下にある元気な葉を残して切ります。

深く切りすぎると次の開花まで時間がかかるため、春の花後は軽めの剪定を基本にします。

秋花のための剪定

木立仕立てで秋にも花を楽しみたい場合は、8月下旬から9月上旬頃に、伸びすぎた枝先を軽く整えます。

夏に葉を落として弱っている株は、無理に剪定しないでください。

つる仕立てでは秋の花数が少なくなりやすいため、秋剪定で深く切り込まず、自然に上がる蕾を楽しむ程度にします。

耐病性

カクテルは丈夫で育てやすいバラとして評価されています。

ただし、高温多湿、長雨、風通しの悪い環境では、黒星病などによって葉が傷んだり、夏に落葉したりすることがあります。

耐病性が非常に強い最新品種と、まったく同じ管理でよいとは限りません。

内側の細枝、重なった枝、枯れ枝を整理し、株の中心まで風が通るようにしてください。

病気の出た葉や落ち葉は株元へ残さず、必要に応じて登録内容を確認した農薬を適正に使用してください。

近年の猛暑では夏越しが重要です
 
猛暑が続く日本の夏

カクテルは現在の日本でも栽培できます

カクテルは比較的暑さに強く、樹勢のあるバラです。

ただし、近年の日本では40℃近い高温になる地域もあり、従来と同じ管理では、葉焼け、水切れ、鉢の高温、夏の落葉が起こることがあります。

丈夫な品種であっても、猛暑の影響をまったく受けないわけではありません。

大型化させないほうが夏管理は容易です

3m以上の壁面や大型アーチへ誘引すると、春には非常に見事な花を楽しめます。

しかし、大型化すると、真夏だけ株全体を遮光したり、水切れした鉢を移動したりすることが難しくなります。

これからカクテルを育てる場合は、次のような仕立て方がおすすめです。

  • 樹高80~150cm程度の木立仕立て
  • 高さ1.5~2m程度の低い半つる仕立て
  • 低めのフェンスやトレリス仕立て
  • 小型アーチ仕立て
  • 移動や遮光ができる鉢植え

春の豪華な開花を重視する場合は半つる仕立て、秋にも比較的まとまった花を楽しみたい場合は木立仕立てが適しています。

真夏の管理で大切なこと

  • 午後の強い西日を避ける
  • 鉢土の水切れを防ぐ
  • 鉢や株元の温度上昇を抑える
  • 混み合った枝を整理する
  • 6月中旬頃から9月上旬頃までは、無理に花を咲かせない
  • 夏の葉をできるだけ残す
  • 弱った株を強く剪定しない

遮光

鉢植えや低い半つる仕立てでは、真夏の午後だけ、遮光率20~30%程度の遮光ネットを利用できます。

葉焼けが起こりやすい場所や、朝から夕方まで強い日差しが当たる場所では、30~50%程度の遮光が必要になることもあります。

遮光ネットを葉へ密着させると熱がこもるため、枝葉から少し離して設置してください。

一日中暗くするのではなく、特に強い午後の日射を弱めることが目的です。

風通しを確保する

カクテルは枝葉がよく茂るため、夏前に内側の細枝や重なった枝を軽く整理します。

ただし、葉を減らしすぎると、残った葉や枝へ強い日光が直接当たり、葉焼けや枝焼けを起こしやすくなります。

枝葉をすべて透かすのではなく、風の通り道をつくる程度にしてください。

根を高温から守る

株元へ腐葉土、バーク堆肥、敷きわらなどを3~5cm程度敷くと、土の乾燥と急激な温度上昇を抑えやすくなります。

幹の根元へ直接厚く寄せず、少し離して敷いてください。

鉢植えでは、次のような対策があります。

  • 白色や明るい色の鉢カバーを利用する
  • 一回り大きな鉢へ入れて二重鉢にする
  • 鉢をコンクリートの照り返しから離す
  • 鉢台などで鉢底を少し持ち上げる
  • 鉢の西側へ板や遮光シートを置く
  • 午後だけ明るい日陰へ移動する

真夏は無理に咲かせない

秋にも花を楽しみたい場合は、6月中旬頃から9月上旬頃までに上がった蕾を、株の状態を見ながら早めに摘み取ります。

特に鉢植え、若い株、夏に葉を落としやすい株では、花を咲かせるよりも、葉と根を守ることを優先してください。

つる仕立てでは、夏に株を休ませても秋の花数は多くならないことがあります。

秋花を重視する場合は、木立仕立てで管理するほうが期待との違いが少なくなります。

栽培者の評価を見る

良い評価

  • 春の花つきが非常に良い
  • 毎年たくさんの花を咲かせる
  • 真紅と黄色の花色が明るく華やか
  • 樹勢が強く、枝がよく伸びる
  • 比較的丈夫で育てやすい
  • 暑さにも比較的耐える
  • 半日陰でも育てやすいという声がある
  • 木立と半つるの両方の仕立て方を楽しめる
  • 古くから栽培されている安心感がある

困った評価

  • トゲが多く、剪定や誘引の際に扱いにくい
  • 放任すると枝が大きく伸びる
  • つる仕立てでは秋の花が少ない
  • 夏の長雨や高温多湿で葉を落とすことがある
  • 枝葉が混み合うと病気が出やすい
  • 鉢植えでは真夏に水切れしやすい
  • 大型化すると遮光や枝整理が難しくなる
  • 香りが弱く、強香を求める人には物足りない

タイプA~Dの評価について

タイプA~Dは、清水園芸店が夏の育てやすさと、年間の管理にかかる手間をもとに分類した目安です。

タイプA
夏に葉が傷みにくく、管理の負担が少ない、とても育てやすいバラ
初心者の方、できるだけ手間をかけたくない方
タイプB
夏に葉が比較的傷みにくく、育てやすいバラ
初心者の方、育てやすさを重視したい方
タイプC
夏に葉が傷むことはあるものの、管理次第で回復しやすく、比較的育てやすいバラ
少しチャレンジしてみたい初心者の方
タイプD
花の美しさや香りが魅力ですが、夏の管理に少しコツが必要なバラ
ある程度栽培経験のある方、中級者の方向け

どのタイプでも、日当たりや風通し、水管理などの栽培環境によって、生育状態や病気の発生しやすさは変わります。

また、この分類は無農薬栽培のしやすさを示すものではありません。
 

必要に応じて農薬を適正に使用することを前提として、夏の育てやすさや管理の負担を目安として分類しています。

夏は花よりも、葉と根を守る管理を

カクテルは樹勢が強く、比較的暑さにも耐えるバラです。

しかし、真夏の強い西日、水切れ、鉢の高温、枝の混み合いが続くと、葉が傷んだり落葉したりすることがあります。

秋にも花を楽しみたい場合は、真夏は無理に咲かせず、夏の葉と根をできるだけ守ることが大切です。

清水園芸店では、夏のバラ管理にキトサン溶液「ばら専科」をご利用いただいています。

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  • 夏の葉と根を守る管理を重視したい方
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